ハッタツソントーク「日常生活」イベントレポート

ハッタツソン2021のプレイベントとして、発達障害の当事者によるトークイベント「ハッタツソントーク」を全3回開催しました。

11月26日に開催された第3回目は「日常生活」をテーマに、ASD、複雑性PTSDの当事者で「#発達系女子の明るい人生計画」の著者である 宇樹 義子さんに登壇していただきました。

今回のイベントレポートでは宇樹さんの講演内容やイベント後半に行ったワークショップの様子をグラレコ(絵で記録すること)と共にダイジェストでご紹介します。

出演者プロフィール
宇樹義子(そらき・よしこ)
福祉・保健衛生分野の研究者を目指すライター。1980年生まれ、千葉県出身、早稲田大学卒。高機能自閉症(ASD)と複雑性PTSDを抱える。「ためこみ症者家族の会(HRAJ)」運営。最愛の夫と猫一匹(♀)と暮らす。
Twitter:https://twitter.com/decinormal1
ブログ:https://sorakiyoshiko.com/

宇樹さん登壇の様子

今回の講演では「日常生活をうまくいかせるヒント」として、ITツールの機能を活用したアイデアを紹介していただきました。

例えば、「タイマーをかける」という動作一つでも スマートスピーカーを使用することで家事の最中でも、スマホを触ったりする必要もなく 声だけで指示をすることができます。

実際に宇樹さんは、スマートスピーカーで 洗濯物が洗い上がる時間にタイマーをセットすることによって、洗濯物を干さずに放置してしまう困りごとを解決しました。

その結果、家事に対する自己肯定感が上がったそうです。

「タイマーをかける」という動作のハードルを下げることによって、生きやすくなることを実感したと話していました。

また、「すぐに体力が底をつく」という悩み事に対して「モニタリングと調整が必要」だと宇樹さんは話します。

活動量計で体力残量やストレス度をモニタリングし、自分の体の状態をグラフで表します。

その結果に対して、マインドフルネスを実践したり、生活の回し方自体を調整するといった対処ができるようになります。

また、最後の「表情をうまく作れない」という悩みに対して

「発達障害のある人だけではなく、表情や声のトーンが重要な役割を持つ仕事をしている人にも役立つと思うので、練習できるアプリが欲しい」

という宇樹さんに、参加者がおすすめのアプリを紹介する場面もありました。

参加者の反応

参加者の方からは

「片付けが苦手で物が捨てられない」

「睡眠障害があって困っている」

といった困りごとを共有したり、他の参加者の困りごとにアドバイスをしたりしていました。

参加者の方からの事前質問と回答

ここで、参加者の方からの質問と宇樹さんからの回答をご紹介します。

Q 健常者にどう接して欲しいのか
排除したり蔑んだりしてほしくないことはもちろんですが、変に「天才」みたいに持ち上げられるのも好きではありません。単に少し違っているだけの「同じ人間」として、対等に扱ってほしいなと思います。

あとは、「合理的配慮」について理解してほしい。障害者のために理不尽に我慢すること、みたいに勘違いしている人が多いと思います。

参考:https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo/print.pdf

Q ライフハックの実際
ライフハックは定型社会に適応しようとするうえでの生きづらさを軽減しはしますが、定型社会の仕組みを変えることはできない(たとえば発達障害者の側が頑張って定型社会に合わせなければいけない構造を変えることはできない)ところに限界があると思います。

ワークショップの様子

また、その後に行われたワークショップでは「ひとりひとりが過ごしやすい社会を作るにはどんな仕組みがあるといいか」というテーマで、参加者がチームに分かれてそれぞれ話していました。

ワークショップの様子

参加者の方からは
「感覚過敏の体験ができるツールを作りたい」
「例えば料理がテーマなら、食材の選び方や管理方法なども学べる学習会がほしい」
という意見がありました。

最後に

「日常生活」での困りごとは、毎日のように向き合わなければいけないものもあります。
今回の宇樹さんの講演でもあったように、「ハードルを下げる」というのは、とても重要なことだと感じました。

〜今回の登壇者である宇樹さんの本はこちら〜

#発達系女子の明るい人生計画 ―ひとりぼっちの発達障害女性、いきなり結婚してみました
80年生まれ、佐藤愛 ―女の人生、ある発達障害者の場合

ハッタツソントークについて

ハッタツソン2021のプレイベントとして発達障害のある当事者講師によるトークイベント「ハッタツソントーク」と題して、発達障害に限らずに「日常生活」「学校/教育」「働く環境」の場で感じる様々な見えづらい課題を当事者の視点と経験から紐解いていきその解決策や逆に活かしていく方法を考えていくトークイベントとワークショップを交えたイベントを全3回開催しました。

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この記事を書いた人
グラレコ:遠藤 亜季(NEFNE)
記事作成:池田 美咲