背中を押してくれたのは「ハッタツソン」

Ledesone(レデソン)では、発達障害の当事者とそうでない方がチームを組み、さまざまなサービスや仕組みを考え つくるプログラム「ハッタツソン」を毎年実施しています。

「ハッタツソン過去参加者インタビュー企画」では、これまでにハッタツソンに参加していただいた方に 「なぜハッタツソンに参加したのか?」や「参加してみてどうだったのか」などを聞き、紹介します。

今回は2019年、2020年に開催されたハッタツソンに参加された山本 祐己さんに、
ハッタツソンを通して変化した障害に対する考え方についてお話を伺いました。

《プロフィール》

山本 祐己(やまもと ゆうき)
1998年生まれ大阪在住のソフトウェアエンジニア。大学時代にNPO法人アイセック神戸大学支部への入会をきっかけに社会課題に興味を持つ。同団体脱退後、株式会社LITALICOでのインターンシップや、発達障害のあるクリエイターを集めたWeb制作事業を行う。現在は機械学習エンジニアとして働きながら、障害者雇用をテーマに卒業論文を執筆している。

その瞬間、これを仕事にしようと思いました

まずは山本さんについて教えてください。

現在は大学生で、「株式会社エフピコ」という会社の研究をしています。

この会社は、食品トレーのリサイクルや製造を行なっていて、障害のある人が300人以上も雇われています。

2020年の障害者雇用率ランキングでは13.35%という結果を出し、2位になりました。

(出典:https://toyokeizai.net/articles/-/456201

エフピコは障害のある人を重要な戦力として雇っていて、僕はそこに興味を持ち分析しています。

また、僕はフリーランスエンジニアとして、3つ仕事をしています。

そのうちの2つは、web系のエンジニアの仕事でフロントエンドやバックエンドを担当しています。

最近始めたもう1つの新しい仕事は、「目視検査で行われている検品作業を画像認識のAIが代わりに行う」という事業をしているスタートアップ企業でのアルバイトです。

この仕事を始めたのは、「エンジニアとしてのキャリア形成を図りたかったから」ということと、もう一つの理由として「新しい雇用を創出していく最先端に身を置きたかったから」ということもあります。

AIの発展が不可避な未来だとしたら、その先にある新しい仕事や新しい雇用の創出の可能性を探したいと思いました。

まだ日が浅いので断言できませんが、障害者雇用を考える上でのヒントがあるかもしれないとも考えています。

ハッタツソンを知ったり参加しようと思ったりしたきっかけはなんですか?

ハッタツソン2019を知ったきっかけは、とある友人からの紹介でした。

僕の家族には発達障害の当事者がいて、その友人にもそのことを話したりしていました。

その頃の僕は 障害分野に対して関心はあったものの、何ができるかわからず特に行動ができていませんでした。

すると、彼から「ハッタツソン」について紹介され、「参加してみたら?」と言われたのがきっかけです。

事前イベントで「#ハッタツソン 当事者トーク」というものがあって、その時の話がとても面白かったというのも、参加の大きなモチベーションになりました。

実際にハッタツソン2019に参加してみてどうでしたか?

とてもよかったです。

僕自身の発達障害に対する考え方が大きく変わったなと思いました。

周りに当事者が自分の家族しかいなかったので、今回さまざまな当事者の方と出会って、同じ障害特性でもいろんな人がいることを学びました。

チームで活動するのも楽しかったですね。

僕のチームは当事者の方が3〜4人いて、デザインが得意な人、ロゴをつくるのが上手な人など、いろんな人がいました。

ハッタツソンならではだと思ったのは、「当事者の人の悩み事を聞ける」という点ですね。本人の声からじゃないと、得ることができなかった情報もあったと思います。

ネットで調べたりしたこともあったのですが、やはり一人一人の声というのは生々しさが違うなと思いました。

特に、自分が経験することもないような困り事だと、 どれくらいそれに困っているのか文字だけだと想像が難しいので、そういう意味でも当事者の人と一緒に問題について考えるのは大事だと思いました。

ハッタツソンに参加して、その後の活動に変化はありましたか?

ハッタツソンに参加した翌月、「株式会社LITALICO」という会社でインターンを始めました。

そのきっかけや背中を押してくれたのは「ハッタツソン」だと思っています。

世の中いろんな問題があるけど、自分が熱量を持って取り組みたいのは障害分野だと感じ、もっとこの分野で活躍したいと思いましたね。

ハッタツソンに参加してみて、当事者の声を聞いて、それを解決するために知恵を絞ることはとても楽しかったです。

その瞬間、これを仕事にしようと思いました。

障害のあるなしの壁が溶けていく

ハッタツソン2020に参加した感想も教えてください。

ハッタツソン2020は、当時使用していたチャットツール自体が 1つのコミュニティのようになっていて印象的でした。

さまざまな情報をみんなで共有したり、コメントしたりする様子が、とてもいいなと感じました。

ハッタツソン2020では僕の家族も当事者枠で参加しました。

ハッタツソンを通じて自分のことを相談できる人を見つけたり、悩み事を口にする機会を作れたりしたらいいなと思ったからです。

参加後の本人の感想では オンラインイベントに参加したことがなく、Zoomを使うことも難しかったようですが、ワークショップに参加して人と議論する機会を作れたことはよかったと思いますね。

ハッタツソンのプログラムではどんなアイデアが出ましたか?

ハッタツソン2019で 僕のチームは、「自分の体調を記録すると AIがその日のアドバイスをしてくれる」というツールについて考えました。

最近になってこのようなアプリが障害の有無を問わず流行り始めたと見聞きします。
ハッタツソンで出てくるアイデアは万人にとって嬉しいアイデアだったりするのだろうなと思いました。

SDGsやダイバーシティインクルージョンの取り組みとして、発達障害や精神障害のある人と、共創、対話する場が必要だと思います
その機会をハッタツソンが担っていると思うのですが、どう思いますか?

特定のテーマに対してそれぞれが意見を出し合う「ハッカソン」という形で行なっているのがとても良いと思います。

例えば、当事者の悩みを当事者でない人が解決するという対立的な立場ではなく、当事者の悩みに共感する人もいるし、当事者自身も解決のために動くというのがとても良いと思います。

とてもフラットな状態で取り組むことができ、障害のあるなしの壁が溶けていくのではないかと思います。

ハッタツソンを一言で表すとなんですか?

「みんなの悩みにみんなで向き合う場」だと思います。

一人一人が抱えている悩みというのは、それぞれその人唯一のものだと思います。

そんな悩みに対して、「自分に何ができるだろう?」と向き合う場だと考えています。

今後のハッタツソンに関して期待することはなんですか?

オフライン開催を実現してほしいと思います。

やはり音声や文字だけでは伝わらない、肌で感じるものがあると思います。

僕自身も、その場の空気感からたくさんの刺激をもらいました。

僕のように、発達障害じゃないけれど障害分野に取り組んでみようとしている人と も繋がれることも一つの価値だと思います

プログラムの休み時間に、 普段は話せないような話をして意見を交わしたり、自分の考えを深めたりしたいと思いました。

最後にこれからハッタツソンに参加しようとしてくださる人に一言お願いします

僕のように身近に当事者がいたり、障害分野に関心はあるものの 何をしたら良いかわからない人にとっては一歩を踏み出す場所として とても良いと思います。

障害分野にどのようにして関わりたいか模索している人には、とても良いきっかけになると思います。

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この記事を書いた人
インタビュー:Ten
記事作成:池田 美咲