発達障害や精神障害のある方は普段どんなアプリ・ツールを活用しているのか?
私たちが、普段何気なく活用しているスマホアプリやWebサービス、いろんなモノがあってすごく便利ですよね。
Ledesone(レデソン)では、発達障害や精神障害のある方はそんなアプリやツールをどんな困りごとに対してどう活用しているのかインタビュー調査を行いました。今回はその中から3名の方の事例をご紹介します。
10代後半の大学生の事例
まず最初にご紹介するのは10代後半の大学生の事例です。この方はADHD、双極性障害II型、総合失調症の診断のある方です。
駅すぱあと(Apple Watchアプリ)
「駅すぱあと」とは電車などの乗り換えを案内してくれるアプリで、Apple Watch版だと自分が今いてる場所を教えてくれます。(参考:駅すぱあと for iPhone、Apple Watchに対応)
この方は、ADHDの特性からマルチタスクが苦手で電車の乗り換えをいつも間違えてしまっていたが、「駅すぱあと」を使うことで、次の時間や行き先、ホームの番号を知らせてくれるので乗り換えで間違えることがなくなったそうです。
Kindleアプリ
「Kindleアプリ」はAmazonが出している電子書籍を読むためのアプリで、本の文字のサイズ、背景色の変更や気になった部分をマークするなどの機能が付いています。(参考:Amazon Kindle無料アプリ)
この方は、衝動性から興味のある本でもしっかり読み終えることができなかったり、体を不自然に動かしてしまったりすることがあったが、Kindleアプリでは書籍のレイアウトを自由にカスタマイズできるため、文字を大きくすることで頻繁にページをめくらなけらばならないようにして、多動を無理矢理本に向けさせながら読むことができたそうです。
20代後半の教育関係職
続いてご紹介するのは20代後半の教育関係職の方の事例です。この方はASDとADHDの診断があります。
Google Chat
「Google Chat」は個々の相手とのダイレクトメッセージやグループでのやりとりができる、Googleが提供しているチャットツールです。(参考:Google Workspace Google Chat)
この方は、情報を受け取ったあとで判断で迷ってしまったり、覚えるのにコストを使ってしまいその処理で気をちってしまうことがあるそうです。そのため、職場ではなるべく「Google Chat」などのチャットツールを用いて指示などを出してもらうようにしています。そうすることで仕事の抜け漏れがだいぶ減ったそうです。
リマインくん(LINE bot)
「リマインくん」は予定と時間をいつもと同じようにLINEで送ることで、時間になったらリマインドで教えてくれるLINE botです。(参考:リマインくん – あなたのLINE友だちのリマインダーbot)
この方は何かを思い出したり、それに切り替えたりするのが苦手だそうです。そこで「リマインくん」に登録して時間になったら教えてもらうようにしています。他のリマインドツールだと音がなっても見ませんが、LINEなら「誰かのLINEやろ?」って見てしまうので確実に思い出すことができるそうです。
40代の作業療法士
最後は40代の作業療法士の事例です。この方はADHDの診断があり、ASDの傾向がある方です。
Sleep Meister(スリープマイスター)
「スリープマイスター」とは寝る前にアプリを起動したスマートフォンを枕元にセットしておくことによって睡眠時間や眠りの深さを計測してくれるアプリです。(参考:Sleep Meister – 睡眠サイクルアラームLite)
この方は、障害特性による二次障害として様々なストレスがかかり寝つきが悪かったです。そこで、睡眠の質を計測してくれる「スリープマイスター」を導入することで普段の睡眠を可視化してくれしっかり睡眠を取るにはどのように1日を過ごせばいいか考える動機付けになり結果しっかり寝れるようになったそうです。
Googleカレンダー
「Googleカレンダー」とはGoogleが提供する無料のカレンダーです。Googleアカウントを持っている人は誰でも使うことができ、スマートフォンやパソコンなど複数の端末で共有して使うことが可能です。(参考:Googleカレンダー)
この方は日々の予定や1日の行動などを忘れてしまったり別のことをしてしまったりすることがあったそうです。しかし、「Googleカレンダー」に細分化して登録することである程度、余裕を持って動けるようになったそうです。
最後に
今回は一部の事例をご紹介しましたが、このように様々なアプリやツールを使うことで「〇〇しづらいこと」が「〇〇しやすい」に変わることがあります。ちなみにこの記事を書いてる著者も書字障害があり、手書きでは文字を使って情報を記録することや伝えることはできませんが、スマホやパソコンを使えば文字でも情報を記録したり伝えることができます。
Ledesone(レデソン)では、こういった障害の有無関係なく誰にとっても便利なツールやサービス、仕組みを発達障害の当事者と共に考え、実際につくるプログラム「ハッタツソン」を2019年から毎年、開催しています。ぜひ一緒にひとりひとりが過ごしやすい社会をつくるための仕組みを考えてみませんか?
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この記事は合同会社Ledesoneが実施したインタビュー調査を元に作成しました。
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